アニメ『ゾイドフューザーズ』放送中の2004年に発売されたゲームボーイアドバンス用のゲームソフト。大企業・ZiGコーポレーションの跡取り息子であるウィルを自機キャラに、惑星Zi征服を企む古代皇帝軍の野望に立ち向かう冒険RPG。RDやライガーゼロフェニックスを始めとした『ゾイドフューザーズ』のキャラクターはもちろん、バンやブレードライガー、ビットとライガーゼロといったこれまでのアニメキャラクター、さらにゲーム『ゾイドサーガ』シリーズの登場キャラクターおよび機体も参戦する。

改造は楽しいけど、主人公機の登場が遅くない?

 ゾイドのゲームは旧ゾイド(昭和に展開されたゾイド)時代からあり、新ゾイド(1999年〜2005年?に展開したゾイド)からも何作か作られたが、2018年10月5日時点で私がプレイしたことがあるのはこの『ゾイドサーガフューザーズ』だけである。『ゾイドサーガ』シリーズはこれで3作目、さらに翌年か翌々年には第4作目となる『ゾイドサーガDS』が発売されているが、なぜ『—フューザーズ』だけ持っているのかというと、安く売っていたから(ド直球)。

 初プレイ時はシステムをよく呑み込めなかったせいで、ひたすら武装をバージョンアップして戦うだけの作業的なプレイになっていたけど、2周目になった今回でようやく機体の攻撃力とEPをいじられると知って、そのカスタマイズ性の高さにどっぷりハマった。普通、攻撃力の高い技は繰り出すために必要なポイント——『ドラゴンクエスト』におけるMP。本ゲームではEPと呼ぶ——の消費が大きく、あまり多用できないのが常であるが、本作ではEPの消費量をカスマイズで減らせるので、大技をガンガン使うことも可能なのだ。攻撃力も上げられるから攻撃用の武装をつけなくても超大型を倒せたりする。育てようによってはライガーゼロのストライクレーザークローで大ダメージを受けるデスザウラーなど、爽快なシーンを生み出すことも可能。さらにパイロットのパラメーターの成長値もカスタマイズできるので、自分だけのオリジナルのゾイド・キャラクターを育てている快感を強く覚えられる。育成面だけに限れば『ポケットモンスター』にも引けを取らないくらい楽しい。

 それだけ育成が楽しいがゆえに、主人公専用機の登場が遅いのはネックだと思う。この主人公専用機、もう物語が佳境に入り最後の戦いが見えてきたぜ! という頃になってようやく出てくる。しかし、手元にはそれまでの物語の半分以上を一緒に戦ってきた相棒機があるのだ。主人公専用機が手に入るまでのつなぎと考えるには愛着がありすぎるので、「強いゾイドが手に入ったから、さっさと乗り換えよう」なんて気持ちには到底なれない。ストーリー的には専用機を使った方が楽だから、結局は乗り換えるんだけど……。まさにZiユニゾンに抵抗感を示す初期のRDの心境である。もうちょい早くに入手できたら「よろしく相棒!」と思えただろうが、実際は今更感がすごく強かった。

 また『ゾイドフューザーズ』作品最大の特徴であるZiユニゾンもどうにも使い勝手が悪い。Ziユニゾンはゾイドの性能をグレードアップさせる概念だったはずだが、このゲームでユニゾンすると、なぜかだいたいのステイタスが下がる(笑)。なにやら個体の性能や武装がほぼ無効化されたうえでユニゾンするみたいで、上がるのは攻撃力くらい。“合体”っつーよりは“一時的に完全新規の機体に変化する”と解釈されているのか……。カスタマイズしようにも戦闘中以外はユニゾンが解除されているからできないし。一応ユニゾンしっぱなしの状態にもできるみたいだけど、それもたぶんクリア後じゃないと無理。さっき褒めたカスタマイズ性の高さが全部台無しになってる。ユニゾンしない方が圧倒的に戦いやすい。なんでこんなことになっちゃったんだろ……。

 本作ではストーリーモードだけでなくチャレンジングモードなるものがある。これは限られた条件で相手チームを全滅させることを目的としたモードで、全部で50のステージが用意されている。ステージをクリアするとストーリーモードで使える機体の製造パーツ・パイロット・デッキコマンド——1ターン中にのみ使用できる特殊効果。HPが回復したり、攻撃力や防御力を倍にできたりするものがある——などが入手できる。これらのご褒美はチャレンジングモードでしか手に入らない上、ストーリーモードでかなり使えるものもあるので(特にデッキコマンド)、ストーリーモードと同時進行させるのが理想的である。というか、ストーリーモードを進行させないとプレイできないステージがほとんどなため、チャレンジングモードに挑戦したい時は否が応でもストーリーを進めないといけないのだが。

 私は基本的にこの手の“オマケ”モードは後回しにしてストーリーをさっさと進めるタイプだから、チャレンジングモードも当然ストーリーモードをクリアしてからプレイした。おかげでご褒美をもらっても全然嬉しくなかった(笑)。もうクリアしてるから役に立てようがないもんな。2周目にプレイした時はちゃんとストーリーと同時進行したから役に立ったけど。特に“空中機雷”と“後方支援”はあるのとないのとじゃ雲泥万里ってレベルで便利。ここまで便利なものをストーリー以外の場所で入手するシステムってどうなんだろと思わんでもない。

 同じことは隠しコマンドにも言える。隠しコマンドでのラスボス戦はオールスター状態で、戦闘に入った直後にこれまで仲間になっていなかったパイロットや未登場だった『ゾイドサーガ』シリーズのキャラクターが一気に仲間になるのだが、当然それまでのストーリーで使ったことがない奴らばかりなので使う気もおきないし、そもそも役に立つほどのステイタスなのかお前らってなる。『ゾイドフューザーズ』のブレードは戦闘に入る前に仲間になるから育てようと思えば育てられるけど、それ以外は無理。

 隠しコマンドのラスボスはアルファ・リヒターのセイスモサウルスなんだけど、これがラスボスの名にふさわしいほどに強い。しかもその後Ziユニゾンでアルティメットセイスモ→ベルセルクセイスモと3段階の変化を起こし、その都度強くなっていく。まるで『ドラゴンクエスト6』のデスタムーアのようだ。こういう、何回もレベルアップしていくラスボス大嫌いなんですよね。やっぱりひとつの戦闘が長引くとどうしても操作が作業的になって飽きがくるじゃないですか。それでもひたすら操作し続けてようやく倒してゲームを終われると思った時に「まだ死にましぇ〜んwww」ってきたらフラストレーション溜まるでしょ。しかもこういうのだいたい全滅したら最初からやり直しだし。一応倒したけどターン43という異常な戦闘回数を記録した。快感などなく、ただただ疲れた。

 メインキャラクターのウィルとアクティーはたぶん『—フューザーズ』寄りのデザインだと思う。グラフィックで見ればそうでもないけど、パッケージだとなんかのっぺりした感じで微妙。アクティーはグラフィックでもあんまり……? オリジナルゾイドのデザインもゴテゴテしすぎていて好きじゃない。ゾイドは実在の生き物が由来のロボットなのでロボ的要素よりも動物的要素が強くあってほしいんだけど、ビクトリーはちょっとロボ寄りすぎると思う。まあ『ゾイドサーガ』シリーズのオリジナルはだいたいこんな感じっぽいけど。

 書いてみたら半分くらいは文句になってしまったけど、2周目のプレイが終わったあとすぐに3周目をやり始めたくらいに面白かった。ただ、気になるところは結構あるな……って感じ。あとこれは完全に蛇足だけど、ユニゾンの存在が判明した時のRDのセリフ「俺とライガーゼロはツメとキバだけで戦ってきたんだ」的なやつ、たぶんアニメからの流用(?)だと思うが、ゲーム内でのゼロはキバが使えないからすごい違和感があった。そのセリフ言わせるならキバ使わしてくれや!(笑)

last up:2018/10/22