The Cramps（クランプス）

The Cramps（クランプス）は、1976年にアメリカのニューヨークで結成されたロック・バンド。ヴォーカリストのLux Interiorとその妻でギタリストのPoison Ivyを中心に活動をスタートさせる。1980年には前述のふたりとBryan Gregory（Gt.）、Nick Knox（Dr.）の4人で1stアルバム『Songs the Lord Taught Us』をリリースしてアルバム・デビュー。結成から33年目の2009年にはオリジナル・メンバーのLuxが死去。バンドはその歴史に幕を下ろす。解散までに度々メンバー・チェンジを行なっていたが、Lux＆Poison夫妻は一貫してバンドの象徴であり続けた。

　彼らは、ロカビリー、パンク、インストゥルメンタル・ロックなどを取り込んだサウンドとZombie（ゾンビ）、Cramped（痙攣）、Mad（狂う）などの単語を含む歌詞から生み出した自身の音楽を“Psychobilly（サイコビリー）”と呼んだ。これが音楽ジャンルを指す意味でのサイコビリーの語源になったとされている。

　一方で、サイコビリーの最大の特徴ともいえるスラップ演奏を用いていないことから、The Crampsをサイコビリー・バンドに分類することに首をかしげる者もいる。だが、サイコビリーの愛好者——通称・サイコスの多くから強烈なリスペクトを受けているのも事実で、サイコビリーのサウンドを生み出したとされるイギリスのバンド・The Meteorsとともにサイコビリーの創設者として評価する声も根強い。