あらすじ:宮木あや子の小説『校閲ガール』のドラマ化。おしゃれが大好きだけど文芸にはまったく興味がない、にも関わらず出版社の校閲部に配属された河野悦子(石原さとみ)が、持ち前の観察力と行動力で破天荒な校閲を実現していく——という感じの、いわゆる職業もののようです。

むしろ派手?

 前期の『家売るオンナ』はターゲットを絞らず作っている感じのドラマだったが、『地味にスゴイ!』は基本的に若い女性を狙っている印象ですね。たぶん“校閲”のキーワードでバランスを取って文系老若男女にもアピールしようとしてるんだろうが、演出にオシャレ感がありすぎてあんまり功を成していない気がする。もしかしたらその逆——“校閲”が地味すぎるから演出で派手にしてるのかもしれんが、どっちみちちょっと演出がくどい。タイトルに反してちっとも地味じゃねえ(笑)。なんか月9みたいなドラマだなと思った。月9あんまり観たことないから偏見だけどね。

 設定はわりとちゃんとしていて、悦子が校閲部に採用された理由もわりと納得ができた(要するに観察力と記憶力に優れているから)。しかし自分の創造上の家の構造を理解していない作家とか、それをどうでもいいと言い放つ編集者とか、校閲部を良く見せるためのご都合主義がどうも気持ち悪い。他者を下げる形で良く見せてる感があるんだよな。

 “立田橋”の件なんかひどいもんで、特定のひとりへのメッセージにしては目立ちすぎるし、べつに悦子じゃなくても突っ込むだろうに。そして事情を知ったあと「余計なことをして……」と頭を下げたのに直すという。どういうこと? 自分から会いに行くのが癪だった妻に自分から会いに行ったよ、のくだりも意味不明。なぜあの流れで妻に会おうと思うのか、ぜんぜん説明できてねえ。

 それと放送前から気になっていたのは、菅田将暉の役どころ。石原さんが一目惚れするには微妙なビジュアルじゃないか? と思っていたのだが、一目惚れするシーンでの格好があからさまにモッサリしていてびっくりした。おしゃれ大好きな悦子が一目惚れする相手がこんなモサいファッションで良いのか? と疑問に感じたが、セシル(足立梨花)は「(イケメンだと騒ぐ悦子に対して)そうですかあ〜?」「先輩とは男の趣味が合わないんですかね〜」みたいな反応だったので、もしかしたら悦子の洞察力をアピールする演出なのかなあと思った。つまり、モサいファッションをしていようがカッコイイ人はカッコイイと判断できる目を持っている、という。仮にそうだったとしてもあのモサさは失敗な気がするが……。

 石原さんの衣装のバリエーションはかなり豊富なようなので、ファッションが好きな人は楽しく観れるかもしれませんね。しかしそれ以外の人から観たらどうかはわからない。私自身、次を観るかというとかなり微妙である。

last up:2016/10/06