ルミナスアーク2 ウィル

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ゲーム概要:イメージエポック開発・マーベラスエンターテイメント発売のニンテンドーDS用のゲームソフト。人々の生活と魔法が密接した関係にある世界でカルナヴァ王国の女王騎士団やレヴ魔法協会に所属する主人公と仲間たちが、魔女戦争の終結と人的被害をもたらす生命体・ハウルビーストとの戦いに挑むシミュレーション型アクションRPG。2007年に発表された『ルミナスアーク』の続編。

前作の難点が改善された良作

ルミナスアーク』発売の翌年、2008年に発売された同作の続編。前作は操作性とゲームバランス?が微妙なせいでイマイチ楽しめなかったけれど、今作はその不満点が大幅に改善されていてかなり面白かった。

 前作においてとにかく不満だったのは操作性。『ルミナスアーク』での戦闘は将棋を模したようなシステムで、フィールドは将棋盤のようにマスごとに分かれ、キャラクターや攻撃(補助効果)は将棋の駒と同じくそれぞれ上下左右に何マス動けるかが異なっている。移動or攻撃範囲はフィールドとは違う色をつけて示してくれるのだけど、前作ではこれが非常に目視しづらかった。敵・味方が固まるとフィールドはほとんど隠れてしまい、うっかり味方に攻撃してしまう、または敵を回復させてしまうという事態が頻繁に発生し、大きなストレスになっていた。

 けれども今作ではフィールドが目視できない・移動or攻撃範囲がわからないことはまったくなく、誤爆もゼロ。たとえ敵・味方がダンゴ状態になろうともフィールドはしっかり見えるのだ。すごくスムーズに戦闘に進んで感動すら覚えたくらい。ちょっとググってみたところ、今作は前作に比べるとマスが大きくなっていたらしい。う〜ん、これは素晴らしい改善だ。

 前作では“フラッシュポイント”を溜めることで使える必殺技がふたつあった。それはキャラクター単体で発動できる“フラッシュドライブ”と、特定のキャラクターがタッグを組むことでフラッシュドライブ以上の威力を発揮できる“シンフォニズム”である。今作ではこのふたつはフラッシュドライブに統一され、溜めるポイントの名称は“ドライブポイント”に変更。ポイントの溜まり具合によって技の威力が変わり、満タンになると前作のシンフォニズム相当の威力を発揮できるようになった。前作のシンフォニズムはタッグを組むキャラクター同士が接近していないと使えず、接近しているが故に広範囲攻撃で同時に倒れるケースが多くイライラしたので、これを廃止したのも良い判断だと思う。

 代わりに登場したのは仲間の魔女と契約することで主人公のみがパワーアップする“エンゲージ”なるシステム。シンフォニズムと違って戦闘パーティにさえ入っていればキャラクター同士が離れていても発動できるし、エンゲージを結ぶだけならポイントがゼロでもOK——つまり序盤でいきなりエンゲージすることもできるなど、使用がかなり安易である。契約する魔女によって使える技が変わるため、作戦のバリエーションが格段に増えてかなり楽しかった。エンゲージした時に表示される花嫁姿の魔女の絵も可愛くていいよ〜。でもポイントが溜まりづらいのは前作と同じで、満タンの状態で技を発動する機会もほとんどなかったのは惜しい。

 前作ではシナリオに沿って動く感じだったキャラクターも、今作では意志をしっかり感じられる描写が多くて共感しやすかった。ただし戦闘能力の差は結構ひどくて、特にラッシュは近距離攻撃型で敵に接近しないと技を繰り出せない設定にも拘らず、移動範囲が異常なまでに狭くて戦闘ではまったく使えなくて、物語が進むにつれて好感度が著しく下がってしまった。敵を攻撃範囲内に収める前に戦闘が終わっちゃうんだもん、使いようがない。主人公の兄貴で出番も多い少年漫画型熱血ヒーローの好キャラクターだったのに。たぶん今作イチの不憫キャラだと思う。

 シナリオもすごく良くなってツッコミどころもかなり少なくなったが、最後の最後で、ええ!? と驚いてめちゃくちゃモヤモヤしてしまった。最後は主人公のロランと魔女のひとりが恋人っぽくなるんだけど、それが前半まで敵キャラだったファティマなのだ。てっきり正ヒロインは序盤からロランとイイ感じだったアルティだと思っていたので、このオチはかなり唐突に感じたのだ。

 調べてみると、どうやらエンディングはファティマルートとアルティルートの2パターンがあるようで、私は偶然ファティマルートを踏んだということらしい。うーん、べつにエンディングが複数あるのは結構だけど、正規エンディングはアルティですと言わんばかりのシナリオを見せておいてこれはどうなんだろう。複数ルートがあるならもうちょいどっちに転んでも受け入れられるようなシナリオにしてくれないと困る。幸せそうなファティマを見てもアルティかわいそうって感情の方が先にきちゃってちょっと萎える。ファティマも決して悪いキャラクターじゃなかった——むしろ結構好感度が高かったキャラクターだったんだけどね……。

 最後の最後でちょっとケチついちゃった感はあるけど、前作と比較するとほぼすべての面で大幅な改善が見られ、ゲームの持つ娯楽性をダイレクトに感じられるようになったのは、すごくよかったです。なんだ〜、ちゃんと面白いゲームだったんじゃん〜ってすごい感心しちゃった。クリア後は育てたキャラクターの能力を引き継ぎつつイチからゲームを始めることも可能なので、2周目も簡単にクリアできると思う。私は基本的にゲームは1度クリアするともうやらないタイプなんだけど、今作はアルティエンドも見てみたいし、いずれまたやろうかなあと思えるくらいに楽しめた。前作が微妙だったって人にもオススメしたくなる良質な続編でした。

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