あらすじ:ジャングルでの長い武者修行を経てニューヨークに帰ってきたレオナルド。だが、あまりにも長く家を空けた彼に対して、兄弟のラファエロは怒りにも似た感情を抱いていた。関係がギクシャクする中、街では3000年前に放たれたモンスターと石像になった戦士たちが暴れ始めた。タートルズとニューヨークの運命やいかに?!

ファン向けだけど一見さんもOK

 ミラージュ・スタジオ発のコミックス『ミュータント・タートルズ』シリーズのフルCGアニメ映画。私も子供の頃はこのテレビアニメが大好きだったが、今となっては“忍者なカメ”ということ以外、何も覚えていない。確か1番好きだったのはオレンジのミケランジェロだったはずだが、持っていたおもちゃはパープルのドナテロだった。でもそれぞれがどんなキャラクターだったかは忘却の彼方。

 しかし映画の方は“2003年版のテレビシリーズの劇場版”というスタンスで製作されたようで、あくまでファン向けっぽい作り。『スパイダーマン』や『アイアンマン』みたいに、それをまったく知らない人でも違和感なく物語に入っていけるような親切設計ではないようだ。基本設定を受け継ぎながらも展開はオリジナルなので、基本設定を知っておかないとちょっとキツい。元々好きだった1987年版の『—タートルズ』の設定を覚えていないうえ、2003年版はまったく知らない人間としては乗り気になるまでにかなり時間がかかった。

 とはいえ、フルCGの力を活かしたグリグリと動くキャラクターたちはかなり爽快。アクションシーンの演出も冴えていて、マーベルの実写ヒーローに引けを取らない素晴らしさがあった。単純にカッコいいから、子供が興奮する可能性は高い。しかしモンスターが迫力ありすぎて怖がる子もいるかもしれない。怖いのは造形ではなくアクションね。『キングコング』みたいな感じ。テレビならともかく映画館で観たらちびるかも。

 ストーリーはわりと陳腐な感じではあったが、しっかり作り込んで説得力を出していたし、映像面はほぼ完璧な出来栄えだったので、映画としての完成度はかなり高いと言える。先に書いたようにあくまで従来のファン向けの作りなので『—タートルズ』はまったく知らないという人にはおすすめしかねるけど、迫力のあるCGアクションを観たい人にはイイ映画だと思った。

 私は字幕版で観賞したのだが、途中先生が日本語で鼻歌歌い始めたから驚いた。声を当てているのは日系アメリカ人のマコ岩松。超名優らしいが、寡聞にして存じ上げませんでした。英語が流暢に聞こえたので普通にアメリカ人かと思っていたが、日本育ちで1950年代以降はアメリカ住まいだった人らしい。なるほど日本語も英語も達者なわけだ。

last up:2016/12/24