このサイトを作る際に参考にした書籍を紹介します。

定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー 改訂版

 ヌーヴェルヴァーグを代表する映画監督であり、おそらく世界一のヒッチコッキアンであるフランソワ・トリュフォーがヒッチコックとともに『快楽の園』から『引き裂かれたカーテン』までの“ヒッチコック・フィルム”を徹底解剖した1冊。各作品の制作の裏側やヒッチコックの思想を垣間見れるのはもちろんですが、敬愛する人物を前にしても口を濁さないトリュフォーの批評も最高に素晴らしい。関連書籍のなかでは間違いなくナンバーワンでしょう。ただし文章はもとより写真も豊富にあるので、ネタバレを嫌う人は注意が必要です。

ヒッチコック映画自身

 ヒッチコックが生前にメディアで発表したコラム、インタビュー、対談、スピーチなどをまとめた本。英国時代から晩年まで全年代のものが掲載されていますが、量としては1930年代発表のものが多い印象。また、人間の主張にはどうしても定型ができるので、似たような内容が繰り返されるところもあり、読んでいるうちにマンネリ化する人もいるかもしれません。掲載順は著者のシドニー・ゴッドリーブが提示した5つのテーマ+年代順で、テーマが変わるごとに年を遡る形式になります。

ヒッチコック——映画と生涯(上下巻)

 ヒッチコックの死後に発表された伝記本。生い立ちから晩年に至るまで、ヒッチコックの生涯を詳細に記しています。多くの関係者に取材を行っていることもあり、資料価値はかなり高い。一方で取材協力者の欄にケーリー・グラントの名がないという大きな欠点も。アポイントを取らなかったわけでもなし、なんらかの理由で断られたのだろうが、その理由をぜひ知りたいところ。不必要な比喩と作者による映画評がうるさく感じたりもするが、資料価値の高さは間違いないでしょう。

やっぱりサスペンスの神様! ヒッチコックを読む

 ヒッチコック没と同年に日本で発売されたファンブック。彼の生涯とフィルモグラフィ、そして監督したすべての映画のストーリーを徹底的に解説している。VHSも普及しきらない時期に発売されているせいか、一部情報に誤りが見られるのが玉に瑕。しかし植草甚一、淀川長治、双葉十三郎、渡辺祥子、大林宣彦の寄稿、渡辺武信、海野弘、和田誠のコラム、アンドレ・バザンのヒッチコック評の翻訳など、見どころは多い。どちらかと言えば映画(批評)ファン向けかもしれません。

グレース・ケリー―プリンセスの素顔

 ヒッチコックが最も信頼した女優・グレース・ケリーの生い立ちからその死までを詳細にまとめた伝記本。映画関係者の多くにもインタビューを取っており、特に『ヒッチコック——映画と生涯(上下巻)』ではなかったケーリー・グラントからの証言があるのもいい感じ。しかしあくまでグレース・ケリーの本ですので、ヒッチコックは好きだがケリーには興味がないという人にはおすすめし難いところがあるかも。現在絶版中です。

last up:2017/06/21